ソラマメブログ

2009年01月10日

沈める美術館 4

「沈める美術館」展、会期が2月末まで延長されました。当初、シリーズ展の1ブログラムでしたけれども、運営サイドが撤去を惜しんで下さいました。沈める美術館 4

私の制作は、土地造成を基本にしているため、成否は、地主との信頼関係で、ほとんど決まってしまいます。制作時間の大半は、この信頼関係作りに費やします。
ギャラリーや人の流れがあって初めて、美術として認識される作品の性格上、実はギャラリーを破壊できません。ギャラリーを壊してしまったら、作品(造成された土地・水・雲・木・鳥)を認識する手がかりが無くなって、見えなくなってしまいます。
sim編集権を私に与える立場の人には、そこから先ず説明します。

意図の説明に当たり、いつも私から明言してきたのは、ギャラリーの機能を保つことでした。水位が上限の100mでなく93mと半端な数字なのは、展示品を避けて水面を引いたからです。それゆえ、始めから半水中建築だったかのように誤解されます。それはそれで、さりげなさを喜ぶべきかもしれませんが、バランスの難しいところです。

それでも運営陣と私が心配していたのは、展示品作者への敬意の問題でした。いきなり多くのの他人の作品を水浸しにして、何が起こるか予想できません。ですが、わずか4日間であれば、それは担当アーティストの領分として認めるべきと、大幅な裁量が下りました。

結果として、館内に展示してきたアーティストらからも、「沈める美術館」は、展示のリフレッシュとして歓迎されたようで、それが一番の成果だと思っています。

現地へはこちらから。
ご注意:会場にいらしても作品の見えない方が、いらっしゃいます。この作品の範囲は、sim全面、水底から雲上の峰に至る全環境です。館内の作品ではなく、作品内部に館があります。



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Posted by comet/コメット at 18:23│Comments(0)展覧会
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